2008年5月27日

私塾のすすめ

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ネット世界の指標でお馴染み、梅田望夫さんと、
フィジカルな(肉体的にもガチンコな)齋藤孝さんの
目指すところは同じだが、アプローチがお互い真逆な教育対談

梅田:
偉人でも自分にぐっと引き寄せて、その人が現代を生きていれば、
自分と同じようなことをしているのではないかとか、誤解であれ、錯覚であれ、
エネルギーが湧くもとになるのならいいんだ。 (~中略~)
ロールモデルを自分のために消費していいんだと。

齋藤:
僕にとっては、そういう偉人な人の人生が
日々を生きるための燃料みたいなものです。

ロールモデル(行動の規範となるお手本)をただ眺めて浪費して
満足するだけではなく、ちゃんと自分の行動に影響を与えるように、
きっちり消費させる循環を提唱する。

梅田:
「縁を的確に感じる力」を磨くことは本当に大切ですね。
自分の専門や仕事というのは常に順風満帆なわけではないから、スランプあり、
いくらやってもブレークスルーできない時期がある。
でもそういうことを相当長くやり続けないとプロになれないから、
対象が自分と合っていないことだと辛い。

継続は力なり。ではあるが、闇雲に手を出したり、流行っているから、
みんながやっているからと、錯覚のレールに乗ってしまう危険性を指摘。

齋藤:
「重要なことは、
けっして使い尽くすことのない資本を身につける」

『ゲーテとの対話』から引用し、生涯すり減ることのない資本を生み出すことを
アドバイス。日々勉強している人に、あぁ、間違っていなかったんだな。
と爽やかな風が吹く。

梅田:
人間が人間を理解するとか、ある人が何かをしたいと思ったときに、
相手がきちんと受け止めてくれるということのほうが、めったにおこることではない。

梅田:
自分がやりたいと思っていることに対して、面白いからどうぞ、
と言ってくれる人とのマッチングは、砂金を探すようなものです。

売り込みは数をこなしてこそ、いきなり特殊能力が身に付くような類のものではなく、
「ノー」と返されても、へこたれない。地道な試行錯誤の繰り返し。

齋藤:
読書というのは、自分のなかに、自分の味方となる他者を住まわせること
だと思います。 (~中略~) 語り合う相手が現実にそこにいるかいないか
というのは、必ずしも絶対的なことではありません。

現世にいない人とも、会ったことの無い偉人とも
交流することができる。さらに、本を読むための技術が
備わっていると尚良い結果をもたらす。

齋藤:
「なんとか職人」という感じの自己規定をしてみると、
腹が決まるというか、逃げ出せなくなって、そうなると、
細部に楽しみを見いだすことができるというメリットがあります。

職人であるかどうかは、周囲の評価によって決定されないと
(自分から言い出すには)格好悪いと感じていましたが
なんか、言い切っちゃってみても面白そうですネ

梅田:
本を読むときに、「頭で読む人」と「心で読む人」がいると思っています。 (~中略~)
僕は「心で読む」というのがとても大事だと思っています。
言葉を大事にして、それを励ましにして、それを生きる糧にするとか、
本のなかに出てくる人の時間の流れ方がいいなと思うことや、
その本の中の何に自分は魅かれているのかということから、
自分の志向性を発見しようとするとか。

「知」に捕らわれない。「生きるために水を飲むような読書」を薦める。

「人間が軽薄である限り、何をしても、何を書いても、
どんな立派に見える仕事を完成しても、どんなに立派に見える人間になっても、
それは虚偽にすぎないのだ。

その人は水の枯れた泉のようなもので、そこからは光の波も射し出さず、
他の光の波と交錯して、美しい輝きを発することもないのだ。
自分の中の軽薄さを殺しつくすこと、そんなことができるものかどうか知らない。
その反証ばかりを僕は毎日見ているのだから。
それでも進んでゆかなければならない」

梅田さんの座右の書、『森有正エッセー集成』から
梅田さん自身が打ちのめされた一節を紹介

梅田:
自分という固有な存在に、最も向いた仕事は何か、向いた生き方は何か、
今こうすごしている時間というのが自分にとって正しいのかどうかとか、
そういうことだけを考え続けていました。

ハイリスクでも己を徹底的に掘り下げてきたお二人が
過去を振り返る。果たしてそれは無駄な行為だったのか?

梅田:
「決め事」というのは、人間の有限性対しての自覚
だと思うんですよね。

梅田:
「義理」とかそういうものを捨てる。これは一番大事ですよね。

イチロー選手を例にも出し、情報の無限性と、時間の有限性を
対比し、無限と有限のマッピングに関する重要性を説く

梅田:
ところで、戦っている相手たる「まったく同じもの」があまりにも強敵だと冒頭で
述べました。日本社会を閉塞させる大きな原因たる「まったく同じもの」は、
本書を読んでくださった読者の皆さんの外部にあって批判するものではなく、
皆さんの内部に根強く存在している。

そしてそれが強敵の強敵たるゆえんです。
齋藤さんと私は、本書を通して、皆さんに真剣な戦いを挑んでいるのです。

おわりに――― より抜粋しつつ
「ウェブの細道」で横浜へ旅する時には、是非ともお立ち寄りください。
横浜市は独立国家なので、全国47都道府県のカウントには入りません。

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