2008年12月25日

SAS セキュリティ・ハンドブック

SAS セキュリティ・ハンドブック 周到性、そして
怒りを脇に置く

犯罪が増えていると感じるのは、
テレビやネットのニュースを見過ぎているだけかもしれないし、
年末年始は色々物入りで犯罪が増える、と言われると実感として、
納得しやすいのかもしれない。

犯罪件数が減少する状況があったとすると、
あなたは一安心するだろうが、犯罪に捲き込まれる確率が下がっただけのことであり、
実際にヒドイ目に遭った瞬間には、何の役にも立たない統計学的数値だ。
「世の中が平和でありますように」という聖者の願いも、暴漢の前では通じない。

怯えたり、安心するだけでは何かを守れない。
犯罪件数が増えていようが減っていようが、数字の差異に関係なく、
事前になんらかの対策は必要であろう。

特にクリスマスの時期は、赤い服を着込んだ不審者
突然侵入してくるかもしれないのだ。

SASといっても、サザンオールスターズのコトではなく。
ここでは、精鋭中の精鋭とも謳われる特殊工作部隊、
イギリス陸軍特殊空挺部隊(Special Air Service)を指す。

SASが世界最強といわれている理由は数々あるが、
入隊の選抜段階で死人が出る
と聞くと、厳しい組織の片鱗が伝わるだろう。

元SASの隊員が第一線のノウハウを、
民間向けに落とし込んで解説した本書では何が学べるか。

彼らは敵対者の弱点を即座に発見し、分析。それから突破に取りかかる。
敵の弱点を見抜く眼は、自分自身の防衛に活用できるだろう。
書かれている知恵を参考に、生活、仕事に転換することが安全に繋がる。

困難に立ち向かう、SAS流組織術も勉強になるだろう。

犯罪や災害、各種の災難には常に遭遇する、と考え。
“何かが起こる前提”と想像する。
あなた自身が最前線
に放り込まれるのである。

暴漢以外にも、地震や戦争だって突然起こる。
その時、あなたはどう対応するのか? 国は助けてくれるのか?
いざという時、他人は役に立つのか?
これらの疑問を携えたまま読み進めたい。

強盗、ひったくり、車上荒らし、盗難、テロ、海外旅行でのトラブル、泥棒、
そして一般家庭のセキュリティ。
それらのポイントは偽装

災害時には、小石や、ダイエットコーク、
ジョンソン・ベビーパウダー、砂糖、蜂蜜が役立つ理由を説明。

暴漢と接触してしまったら、
下記要素が含まれた行動を展開すると生存率が高まるだろう。

  • チャンス
  • スピード
  • トリッキー

災難が自分達の身に降りかかった後で、
誰かのせいにしても遅いので、知識と恐怖の関係を把握しておく。

  • 犯罪に対する認識と予測
  • 恐怖心の抑制

SASに所属している隊員は、脳ミソまでマッチョな野郎ではない。
正面突破せずに、トラブルを避けることに重点を置いている。

P.44
犯罪者と直接戦うことはつねに時間の浪費になる。

あなたはどこにいようとも、敵対者がどのくらい強く、
またどのくらい狂っているか
さらにどんな武器を持っているのかまではわからない。

大自然の中でサバイヴするために。

P.302
見たことのない植物を食べる際に、まずやっておかなければならない
標準的テスト法というものがある。

  1. その植物を唇にはさんで5分待つ
  2. ヒリヒリしてきたり、石鹸のような味がしてきたら、すぐに捨てる
  3. そんな味や感覚が無ければ、もう一切れ口に入れる
  4. 噛んでから反応を待つ。
  5. 何も起こらなかったら、少量を取って食べ、1~2時間待つ
  6. それでもどうということがなければ、いよいよ「いただきます」である

SASだけではなく、普通の組織にでも必要なこと。

P.228
定期的に作戦のローテーションと
再トレーニングの期間を交互に組む。

これは「体力や感性の摩耗」を防ぎ
技能に再度磨きをかけるだけでなく、
他のメンバーが、部隊から戻った兵から
現在の作戦における最新の情報を得るという利点がある。

どんな状況に置かれても・・・

P.248
大事なのは事態の進展を把握し、
事態を自分でコントロールし
自分の行動を自分で判断するということである。

状況に浮き足立って、反射的に行動に出た揚げ句に、
後になって判断の誤りに気づくというようなことがあってはならない。

P.312
危険に対して自己中心的な見方をしていたり、
正しい理解を持たずにいると、危険性を正確に判断できず、
運に頼ることになる。それでは自ら災難を呼ぶようなものである。

SASの黄金律のひとつ。明確な目的を持つことを前提に。

P.249
KISS(Keep It Simple, Stupid)
「単純にしとけ、このマヌケ」

計画が単純明快であるほど、成功する見込みは大きくなる。
複雑になればなるほど、かかわってくる要素が多くなり、
それだけ失敗をまねく可能性が増える。

中国議会(チャイニーズ・パーラメント)という段取り。

P.253
SASでは、任務に参画する者全員が何がしかの知恵を出して話合い、
利用可能な人的・物的資源を用いて目的を達成するにはどうすればよいか、
白熱した議論を戦わせることになっている。

その場では沈黙は許されない。
だれでもかならず自分の意見を出して、話し合いに貢献する必要があり、
何もいうことがないなら、後になって批判してはならないのである。

話し合いの結論として計画を立てておきながら、
何かがうまくいかなくなった段階で、チームの1人が
「こうなるんじゃないかと思っていた」
などと言い出すのは最低だ。

そうなると思っていたのなら、
なぜ計画段階でそれを言わなかったのか。

読み終わってから間髪入れずに、本書を防災用バックパックに忍ばせた。
しかし、その行為ですら、“何かが起こる前提”の準備段階に過ぎないのだ。

このハンドブックが、“未来のあなた”へのクリスマスプレゼント
となってくれれば嬉しいのだが・・・

コメントする


画像の中に見える文字を入力してください。