2009年7月10日

アンディ・グローブ

アンディ・グローブ リチャード・S・テドロー 横浜関内伊勢佐木町のカフェバー 音楽好きが集まる洒落た飲み屋 ウェブ担当がオススメする書籍

活力と管理
戦略は行動

是非、トム・ハンクス主演で
アンディ・グローブの半生を映画化して欲しい。

アメリカ育ちでも、おぼっちゃんでもなく、
戦火から逃れて亡命してきたという、深いバックグラウンドがあり、
その環境は彼の強みにどう影響したのか? 探りながら読まずにはいられない。

著者のリチャード・S・テドローさんは、物語を書くプロではないため、
地域情勢や背景を細かく描き過ぎていて、
上巻の前半、下巻の後半がかなり冗長 (おまけに日本語訳のリズムも悪い)

上下巻を読んでも、
楽しめるのは1巻分なのが残念なところ。

面白くなってくるのは、上巻の4章、新天地のアメリカに渡ってから。
しばらくすると、スティーブ・ジョブズも出てきます。

1978年、アンディ・グローブは、アップルコンピュータの
取締役を頼まれますが、断ってます。
もし、就任していたら、アップルはどうなっていたのか?
(多分、ジョブズと大喧嘩してただろうけど・・・)

相手の提案や相談は遠回り?
(なんか、女子のショッピングに付き合ってるみたいな法則)

アンディ・グローブ

人々はすでに答えを持っている
のではないでしょうか。

そして事実をうまく揃えて、正式な意思決定プロセスをとおして
自分の意見にお墨付きを得ようとするのです

アンディ・グローブは生まれつきの天才というより、
勉学に関しては秀才タイプ
(凡人からすると相当の頭脳だけど、周りに天才がいすぎた)

しかし、周囲の環境と、自らを変化させることに努力する点、
集中力を維持することに関しては、完全な天才型といえる。

幼い頃から、死神に付きまとわれてきた彼は、
その時に得た不安と恐怖を、経営に存分に活かしていて、
心配性の人が読んだら、それだけで胃が痛くなったり、
心臓が止まったりする出来事が多々描写されている。

そんな試練を、読みながらトレースし、
市場支配力に繋がる自社開発の重要さ
学べるのは大変ありがたい。

自社開発というと、どうしても目に見える商品にいきがちだが、
独創的な企画、アイデア、物語など、手に取れないもの、
目には見えないモノにも該当する。

スティーブ・ジョブズも、ビル・ゲイツも、
アンディ・グローブも、執拗さを持った狂人といえる・・・

そして、彼らに対し共通して抱く感想は、
彼らそのものになってみたいが、
彼らと一緒に働くのは、マッピラご免、だということ。

本書に出てくる、IT界の有名人を、自分の上司にあてはめて、
自社や自分の行く末を想像する楽しみ方もできる。

インテルの創生期、アンディ・グローブは技術方面に興味が
あったんじゃないかな。 それでも、マネージメントが必要で、
やれる人材もアンディ・グローブしかいなかった・・・

本人曰く、

どれだけ報酬をもらったとしても、
立ち上げ期のあの苦労だけは二度としたくない

これほど過酷な期間で、アンディ・グローブが得たスキルには相当の価値がある。
日々の心情を、業務日誌から読み解きたいところだが・・・

主役目線と観客視点を同時に使いこなす才能は垣間見えるが、
アンディ本人が書いているわけではないので、
終始アンディ・グローブとインテルの分析になってしまう。

対象読者としては、アメリカでのパソコン関連企業の歴史に興味がある人。
それならば、挫けずに読み進められそうだ。
(皆さんもご存じの、アノ会社のトップとのゴタゴタなんかも盛り沢山)

マネージメントを学ぼうとするならば、先日紹介した
『インテル戦略転換』のほうが、より参考になる。

本書から、教訓として活かせるのは、
大企業病に蝕まれたIBMのとんでもない失敗であり、
世界的な大富豪になった人々でも、
どんなに優れた頭脳が集まっている大企業でも、
未来は、まったく予測できない
ということに尽きる。

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