2010年6月 2日
2010年6月 1日
2010年5月21日
デザインの生態学
思考する知と行為
それがデザインだ
新しいデザインの教科書
リアリティをデザインするために、3人が紡ぐ思考の痕跡
- 深澤直人 (プロダクトデザイン/プロダクト・アート)
- 後藤武 (建築設計)
- 佐々木正人 (生態心理学)
大学の先生の講義って、本当に何かを教えようとしているのではなく、
個人の趣味性を発表する場なのか、ポジションを維持するためだけなのか、
話が生徒の方向へ向いていないような気がする。
前半、佐々木正人さんのパートは、そんな流れ。
自らの説明が必要なアート
向きであり、本書では不要な部分だ。
鼎談 (ていだん)を基本にしつつ、各パートに合わせて、
司会者が入れ替わるようなカタチで進行する本書。
建築から学ぶデザイン、デザインから学ぶ建築、その2つだけが
本書のエキスかと思っていたが、巻末のカール・マルクスのこの言葉が
出てきた時点で、一気に幅が広がった。
P.269 後藤武さんの選書の中で、カール・マルクスの文言
哲学者たちは、世界をざまざまに<解釈>してきたにすぎない。
肝心なのは、世界を<変革>することであるのに
身体的知覚の定着化
接触を楽しむ行為、そのものにヒントがありそう、
時代時代で変化する洗練さの価値
を見出せる。
意識を発見する
内側と外側の張り、力の加減がアイデアのようだ。
無意識の記憶
を刺激するデザインを学ぶ。
P.116 後藤武さん
未知なのだけど既知。
その部分を発掘するということなのでしょう。
行為の痕跡
を探し、遊ぶ。
直感の正体
P.126 後藤武さん
あたかもレンズで拡大するように分析していたものを、
一気に圧縮して整理できる瞬間がある。この技術が制作の技術なのではないか、と思うんです。
拡大するテレビ画面、近寄りすぎる関係、明るすぎるモノの輪郭、
急激に発散され、あっという間に去っていく音、急激な照明、光の強さ・・・
現代人は、モノと人の関係性や
距離感覚を意識する能力が、弱まっているのか?
P.158 深澤直人さん
ものの機能や特徴による選択はできても、
他のものとの関係が読み取れない。それは選択する側だけでなく
作る側の感覚の欠乏でもある。
mixiなどのSNS、ツイッターによる情報把握にもあてはまる、
誰が何処で何をして、何を考えているか、その情報は本当に必要なのだろうか?
存在感の無いモノを求めるのは、
雑音が多い時代ならではだ、と言う。
P.160 深澤直人さん
ものをデザインすることは
関係の距離をデザインすることである。
主張の強さを調整することである。
多機能化の落とし穴
ミニマリズムって多様性を内包 (残した)した思想だったんですね・・・
単純に、削ぎ落としてシンプルになったものかと思ってた。
人間のセンサーや触角を引き込むデザイン
P.163 深澤直人さん
デザインに意味を込めようとしてもしょうがない。
この場合の意味は作者の意図の表れであるから醜いし、押し付けがましい。意味は受け手との合意によって意味となる。
(~中略~)
デザインに理由は必要ない。
デザインの意味は発生するものである。
触媒と質感
後藤武さん曰く、
縁 (ふち)や隅 (すみ)の操作によって、浮遊感が生み出せるという。
建築に限定せず、デザインやモノ創りの現場で活かせそうなテクニックだ。
3DCG、CADでの設計での注意点も語る。
不純物を濾過して取り除く。
P.221
本質的なものだけを保存するために、不純物を除去
想像力のみに頼ると、他者性が欠落するという・・・
P.236
想像力に依存しないこと。
想像力を括弧に入れ、
物質が語るこの世界に投入すること。
その中から新しさを思考すること。
巻末ブックガイド
深澤直人さん、後藤武さん、両名のみのキーワード付き解説が役立つ
P.269 後藤武さん
哲学と同様にデザインも世界と
やすやすと「和解」してはならないのだ。
研究と表現の起点は同じであったり、中庸の普遍さが理解できる。
P.282 深澤直人さん
情報は定義化されて繁殖し事実から遠ざかる。
P.283 深澤直人さん
デザインされたものやアートもそのもの単体ではなく
状況の作り込みである。
2010年5月 6日
2010年5月 5日
2010年4月29日
2010年4月13日
2010年4月 9日
デザインノート No.30
表現と構造の
差異と共通項
文字デザイン、タイポグラフィにまつわる
インタビュー特集。
葛西薫さんの心がけ。
どうすれば文字や言葉が
居心地よくしてくれるかという
間の作り方こそ重要だと思うんですよね。
下記は、ネットのコンテンツでいうと、突っ込みドコロか?
(『ウェブはバカと暇人のもの』参照)
ビシッと完璧に決まったものは
時間が止まってしまい、
入り込む余地が無い気がして、見る人も
見ているようであまり見ていないんだと思うんですよ。ある程度の緩さ、だるさ、ぬるさ、
そういうものがあった方がふーっと引き込まれて
読むことの邪魔をしない。
中村勇吾さんは、「表現」と「構造設計」「構成原理」についての自身の考えを。
野尻大作さんは、「置いて、ハイ、終わり」、ではないタイポの可能性を追究。
下記は、ブランディング表現について、
商品の説明ではなく、
自信を伝えるためのイメージです。
他にも、中村至男さん、大杉学さん、北川一成さんへのインタビューからは、
何か得るものがある。
言葉は違えど、全体を通して共通だったのは、
実験、検証を重ねる労力だったり、構築中に自らブッ壊す意気込み。
文字が場の空気を変える。
2010年4月 8日
2010年3月26日
デザインの理念と実践
力を入れ過ぎて
壊さないようにする
- 著者 日本デザインコミッティー
- 編集 平野敬子
記念展の内容を書籍化。
プロダクトデザイナー、深澤直人さんの言葉からは、
個性を全面に出し過ぎないように、注意する指針が得られる。
つくり出すというより、環境のなかに見出す
という感覚が強い。
できれば現象に留まりたい。
無意識のなかの見えない繋がりをデザインしたいと思っている。
人とものと環境の折り合いをつけることが
デザインである。 それはシャボン玉のように柔軟で薄い空気の輪郭である。
氏のデザイン物や商品への好き嫌い、売れる売れないはあるだろうけど、
自分自身のスタイルを、客観的に傍観するための1つの視点として追加しておきたい。
照明デザイナー、面出薫 (めんで かおる)さんの言葉。
建築照明デザインとは、このような
"巧妙な気配を作り出すための光の罠"を仕掛ける仕事である。
明る過ぎず、暗過ぎず、光の焦点についての話は、
黒背景を使用する際のウェブデザインにも活用できる。
建築家、プロダクトデザイナーである黒川雅之さんの言葉。
"人のためにつくる"という思想がデザインを狂わせた、
(~中略~)
他者のためにデザインするという考えが不遜なのである。
自分が誰のためにデザインしたり、物創りをおこなっているのか?
今一度見直す切っ掛けになる。
2010年3月16日
2010年3月15日
2010年3月11日
2010年3月 8日
2010年2月16日
BRUTUS 特別編集 井上雄彦
継続と身体性
2008年7月1日号、
『ブルータス 緊急特集 井上雄彦』の改訂版
『スラムダンク』や『バガボンド』、『リアル』の
作者としてお馴染みですが、有名にならなかった作品も少なからず存在する。
物事を継続してやり続けることの重要性を、再確認することに。
内容は、井上雄彦先生の道具へのこだわり、『バガボンド』執筆の苦悩、
読者との関係、自身の身体性と作品との関わりなど。
物創りをする人や、井上雄彦さんのファン向けの内容。
パソコンに向かっていると、心技体の「体」の部分は、疎かになりがち。
ユーザビリティや感動にも繋がる身体性は、
常に意識しなきゃなー、と思った次第。
2010年2月 8日
2010年2月 4日
2010年2月 1日
2010年1月31日
2010年1月26日
これがデザイナーへの道
手作業が好きだ!
著者は、増渕俊之さん。 出版社はMdN
エディトリアル、CDジャケット、WEB、PV、装幀、ポスター・・・
31人、ぞれぞれの道。 以下登場陣 (敬称略)
- 青木康子 (PANGAEA)
- 打越俊明 (錦斗雲/錦瓊)
- 白石良一 (白石デザイン・オフィス)
- 伊東優
- 坂本志保
- サイレント・グラフィックス
- 高橋伸幸 (3 MIN. GRAPHIC ASSOCIATES)
- 藤枝憲 (Coa Graphics)
- 岩淵まどか
- 岡野登 (Cipher.)
- 北山雅和 (HELP!)
- イム・ジョンホ (mount inc.)
- 平川彰 (幻冬舎デザイン室)
- 島尻一成 (ソニー・ミュージックコミュニケーションズ)
- 鈴木真吾 (magnet design)
- 江森丈晃 (TONE TWILIGHT)
- 素樹文生
- 水戸部博 (grid graphics)
- 田島照久 (THESEDAYS)
- ヨシマルシン
- 駿東宏 (エスジー)
- 炭谷賢
- 阿萬智博 (阿萬企画)
- 金松滋 (メタモ)
- マーチン荻沢 (HIT STUDIO)
- 岡村浩志 (Ages5&up)
- 清水幹太 (イメージソース/ノングリッド)
- 原大輔 (SLOW Inc.)
- 古賀学 (ペッパーショップ)
- 小林信広 (finch-talk)
- 秋田和徳
彼ら彼女らは、いかにして、
突出した自分の技を身に付けたのか?
アートディレクターは、世界を見渡し、
デザイナーは没頭するという・・・
本書では、その使い分けの必要性を気付かせてくれる。
何故、デザインを始めたのか? 経緯も伝えているので、
デザイナーを目指す人へのアドバイスになる。
逃げ出した出来事や、営業の是非など、裏側部分も
取り上げられているのが、他のクリエイター集と違うところ。
田島照久さんのセリフから、物作りの好き加減を感じる。
「僕の年齢でまだ現役で、InDesignのオペレーションから、
Final Cut Proでの映像の編集まで自分でやってるデザイナーって、
あまりいないのではと思います。
もはやストーンズの心境(笑)」
2010年1月13日
2010年1月 9日
2010年1月 8日
2009年11月20日
ブレーン 2009年12月号
輪廻するデザイン
広告クリエイティブデザインの専門誌
特集の「戦略的カラークリエイティブ」では
色彩潮流の今を把握できる。
「三人が見るデザインの輪郭 深澤直人×藤井保×副田高行」
この鼎談だけでも、買い。
深澤直人さんは、焦点をあてるコトによって、
逆に見えなくなるものがある、という。
デザインや物創りの際、創作物全般で、つい過剰になりがちだが、
新たな視点を持って注意を払いたい。
そこでは、あえて輪郭をボカすことによって、
人間の心理や生態まで考えたデザインが閃くかもしれない。
副田高行さんの言葉も印象に残る。
形は環境が決める
シーンをデザイン
進化論や生物学、生態学というと、過去→未来へ、
なんだか大掛かりになってくる印象があるが、
人間の行動の今を捉える
という、身近な例に活かすことも可能だ、と思った。
(行動心理学の逆アプローチとも言えそうだ・・・
行動心理学が、人間の内なるエネルギーから発生するものだとすると、
副田高行さんが言っていることは、外的なチカラが作用している現象)
深澤直人さんの言葉
何かを作り込もうとすると、その分だけ意思が浮き出てしまう、
それは後で消せないんです。
無駄に、過剰になりすぎないように、後々のことまで考えていかなきゃなー
と、改めて考えさせられる。
デザイナーや、クリエイター、作り手が無意識のうちに、
作品や制作物に込めてしまう自意識。
この署名のような、サインのような、自分のセンスの自慢のような、
自分自身の存在証明そのもののようなエゴ。
作り手にとっては、愛着があり、
ユーザーにとっては、ウザいだけ、ってコトもあるかもしれない。
その存在を客観認識する勇気を持つところから始めたい。
深澤さんが言っているデザインの輪廻
という概念は、逆張りに動くことや、螺旋の概念に通ずるモノがあった。
2009年11月 4日
2009年10月16日
2009年10月13日
2009年10月12日
2009年10月 8日
ヒット商品のデザイン戦略を解剖する
球を持って
走っているか?
広告の作り手を取り上げる本書。
デザイナーは下記 (敬称略)
- 大貫卓也 ソフトバンクモバイル
- 日高英輝 ゼロハリバートン
- 佐藤可士和 今治タオルプロジェクト
- 小山薫堂 水野学 東京スマートドライバープロジェクト
- イシザキミチヒロ 理研ビタミン
- グルーヴィジョンズ 片山正通 明治製菓100%ChocolateCafe
- 尾原史和 寄藤文平 R25
- 西澤昭洋 ドトールコーヒー
- 長嶋りかこ キリンスパークリングホップ
主にパワーゲームと量とエゴな内容ですが、
唯一、「キリンスパークリングホップ」のラベルデザインの話に臨場感を感じた。
ビール系飲料からの脱却し、新しいイメージを取り込むこの製品。
シャンパン風にしてみたり、カクテル調にしてみたり・・・
試行錯誤が続く中、ついには質感にミニダイヤカットを採用。
突如、シックからキラキラへ変えた!
この決断が、どのように影響してゆくか?
「FIRE」や「サプリ」「生茶」「NUDA」などの商品を手がけた
佐藤章さんはキリンの人
彼のプロジェクトコントロール能力と、
代理店側の長嶋りかこさん達の攻防戦が面白い。
長嶋りかこさんの主張
最終的に物を買うのは衝動なので、
どこでトキメクかっていうのは大事じゃないですか。
長嶋さんは、キラキラに反対していたが・・・
佐藤章さんの台詞は、まさにプロジェクトXそのもの。
みんなここに居ると思ってくれ
長嶋りかこさんが「キリンスパークリングホップ」で体験したこと。
重要なのは、自分で球を持って走る覚悟のある
人たちが集まっていること。大人数になってくると、「誰か球を出せるだろう」
みたいになりますよね。そんな最悪なことが全然なくて、ボールが来たら走るし、
「いや俺に渡せよ」くらいな感じが
すごくよかったなぁ、と思っています。
正論ばかりではダメ、異なる要素が自分の中で掛け算されて、
熟成した感覚を表現できる人が重宝される、そんな話にも遭遇できる。
2009年10月 7日
2009年8月14日
2009年7月11日
デザイナーへの道を知る 30人の言葉
低確率で
発見する言葉
『デザインの現場』に掲載されていた記事に加筆
(駆け出し時代への自分宛メッセージ付き)
本書は税込みで2,100円なんですけど、
デザイナー30人中、自分に役立ったのは(多く見積もっても)2~4人ほど。
単純計算で、140~280円分の価値や言葉があった。
- カッチリ決めると逃げるモノ
- 誰かが観ている
- チャンスは2度と来ない
- デザインが消える刻
聞き出し方が悪いのか、何なのか。
デザイナーの『プロ論。』としても、ほど遠い。
時間が経てば、視点も変化し、
受け取るメッセージも変わるのかもしれないが・・・
2009年7月 9日
ゲームニクスとは何か
人を夢中に
させるには?
著者はゲーム作りに関わってきた
サイトウ アキヒロさん
家電やATMといった、操作性が悪い代表を例に出し、
他とは違うユーザビリティ (使い勝手)を持ち、
独自の評価で進化してきたゲームとゲーム業界を探る。
本書で分析されている、
ストレスと快感を操るテクニックは、
他業種でも役立ちそうです。
必要なのは制約
- 直感的なユーザー・インターフェイス (使いやすさの追求)
- マニュアルなしでルールを理解してもらう (何をすればいいのか迷わない)
- はまる演出と段階的な学習効果 (熱中させる工夫)
- ゲームの外部化 (現実とリンクさせて、リアルに感じさせる)
ウェブサイト(ゲームコンテンツを除く)だと、1と2までは達成できても、
あまり、3と4は意識していないのではないでしょうか。
だからこそ、試してみる価値はありそうです。
使いやすく、さらに使いこなせるというのがポイント
ユーザビリティというのは、使用者であるユーザーと
一瞬しか関わらず、それによって、その製品なりサイトなりが判断されます。
しかし、"使いこなせる"または、"使いこなしたい"という部分は、
日常に入り込める仕組みであるとか、
シンプルながらも奥行きがありそうだとか、操作系も含めた、
コンテンツの幅や遊びの必要性を意識させられます。
ココを押さえておくことにより、一度観ただけで終わり、
というのではなく、中毒性を持ったコンテンツ創りに繋げられそうです。
2009年5月27日
デザインと死
2009年5月19日
デザイン&アプリケーションズ
概念と技術
『Design and Applications デザイン理論と
Illustrator/Photoshop/InDesignの実習』
BNNの出版ですが、作例がMdNっぽいです。
左ページのデザイン概念と、右ページのオペレーション
(イラレ、フォトショップ、インデザインの操作)が、連動している珍しい形式
デザイナーではないが、実際にデザイン作業が発生している人や、
印刷に興味があるようなら・・・
例えば、自分でプレゼン資料や、店舗の印刷物を作るのに、
画像を切り抜いたり、構成を行うことがあるだろう。
そんな時、手軽に基礎を身に付けたいと感じているなら、本書がピッタリだ。
- 文字の並べ方
- 紙面のレイアウト
- 写真画像やロゴ
- 印刷や製本
上記のような内容が、幕の内弁当のようにまとめられている。
印刷やレイアウト畑を通らずに、
いきなりウェブ業界に入った方々も多いだろう。
下記のようなコトは、意外と深く経験していないかもしれない。
- 字間と字送り
- 文字の縦組み
- 欧文の文字組み
なんとなくでいいから、理論を覚えておくと、
突発的な作業が出現した時に、慌てずに済む。
デザインの概念や理論だけの本って、なかなか敷居が高く、
ハウツーものに取りかかれるほど、ソフトのスキルを持ち合わせていない、
そんな方々のための書籍といえる。
2009年5月15日
使い勝手のデザイン学
最善なデザインと
デザインの悪夢
- ヘンリー・ペトロスキー 著
- 忠平美幸 訳
デザイナーや開発者と接することになった方に、
目を通していただきたいところ。
自分の生活にデザインは関係していない、
と思っている人向けの内容でもある。
子供の頃、大人が創り出しているこの世界は
最終形であり、完璧な姿をしている、と思っていた。
だが、成長と経験を重ね、その考えが幻想であることに気付く。
その不完全な世界(デザイン)の
欠陥を改善するための書籍ではあるが、
未来へ向けられた話が中心ではなく、大昔の事例が多く、
デザインに関するウンチクにページを割いている。
未来へのデザイン学や、今を解決する手段を
探しているなら、他書をあたってみると良いだろう。
以下のコトに興味があれば・・・
- 改良に改良を重ねていく根気良さ
- ユーザーは、開発者の意図から外れた再利用を行う
- 発明者のミスから生まれた製品
- ケータイと電卓の数字キー なぜ配列方法が違うのか?
- 段数が奇数に指定されている階段の理由とは?
エピソードとして気に入っているのは
- 「DW-40」 (日本でいうトコロのKURE 5-56 スプレー式潤滑剤)
- 「ダクトテープ」 (銀色の防水ガムテープ)
この2つのアイテムがあれば、
人生のどんな局面でも乗り越えられるという人々の話
本書で繰り返し述べられるテーマ
デザインと
現行インフラとの相性
デザイナーや制作者の落とし穴
その現場で設計にかかわる人びとは、
製作中の対象物との関係が緊密になる。すると、ちょっとした欠点を見逃しやすく
なるし、あばたもえくぼに見えてくるものだ。
2009年4月12日
デザインの輪郭
視覚化できない
モヤモヤした何かを
カタチにする
物体の内圧、空間からの外圧を意識してデザインする。
ということに、初めて気付かされました。
"張り"をデザイン観としている深澤直人さんの
仕事のやり方や、デザインに対する想いなどを記した書籍。
デザイナーが依頼主と対峙する時の心構えが学べます。
デザインに接していない人も、
掃除から人間関係まで、生活の全てが
デザインに関係しているんだよ、ということを認識させられます。
デザインとは、混乱してしまった関係性、
秩序の乱れを整えてあげることだ。
と、自分では定義付けしましたが、
内容として、こんなものもありました。
- 表現に緊張感を取り入れること
- "普通のデザイン"をする難しさ
- いかにして意図を溶け込ませるか
下記は、モノを構築する際の言い回しとして使えそうです。
P.189
ピラミッドは頂点から組む
下から組み上げても、台形にしかならない場合があるから。
情報量を摂取するコトについて。
P.214
人が加工した情報は、たいしたことはない。僕にとっての情報とは、あなたと私が今、
考えてはいなくても同じ椅子の座の感触を
同時に感じているというようなことです。感じることすべてが情報です。
足を知る。
P.272
「これだけあればいい」という思いは、
生きる上での強さを与えてくれる。
「欲しい」という感情は自分を不安にさせる。
デザインをする人、デザインを教える立場の人、
デザインを依頼する人、デザインから遠い人、全ての方々に役立つ一冊です。
2009年1月16日
BRUTUS ブルータス大学開講
魅惑の講師陣
読んでいると、講義に参加したくなる。
数々の修羅場をかいくぐって来たであろう講師陣。
その経験値は、学者先生が理論を語るのとは次元が違う。
実践であり、実戦で得てきた出来事を、なるべく体系化した授業。
実際に受けられた人は幸せだ。
いとうせいこうさん
雑多な情報の中から、
自分が面白いからこそ紹介したいというトピックスに絞り込む。
編集の極意を話してくれる。
P.26
「自粛しなさが大事」だということ。
今って本当に自粛社会になってるから気をつけてほしい。だって、ちょっとでも冒険しようとすると
「それ、やばいでしょ・・・」 って言ってる社会だから。そんなの素人が決める話じゃないって。
深澤直人さん
デザイナーや物創りしている人は必見。
P.30
「だいたい、とか、たぶん、とか、曖昧なことを言うな・・・
頼むから世界をもっとはっきり記憶してくれ。
P.31
例えばひとつの言葉があるとして、
皆がその言葉を聞いて何を共通にイメージするか。それを明確に、具体的に思い描いてみて。
そこを飛ばすから何をしたいか分からない。あなたが何を、ではなく、
皆が何を、をまず探し、そこから
自分の中に浮いてきたものを理解していく
ブレないために、軸を確かめる。
P.31
あるものの何が"そのものらしさ"をなしているのか。
そのリアリティーに触れているのに、
余計なことをして離れてしまう。いいと言われるものに対して、
作っている本人が理解できていないと、
結局自分のものにはならないよ。
逆に、最後に実感すれば、
もうすべてを取ってしまったみたいなもので、後はいかようにもなる。バッティングセンターでとりあえず振って、
たまたま当たった時に先生が"今の感触だよ"
って言ってあげる時間はもう終わり。そろろそ自力で真芯に当ててほしい。
教育とは。
P.31
学生はどうやったら打てるかの
ノウハウが知りたくて、マニュアルが欲しい。けれどマニュアル化することは、その人を
作る人としてツール化するだけだから、
実は将来、彼らにとって何の役にも立たない。
西沢立衛さん
仕事に加熱すると、ついつい引き返すことができなくなっている罠。
P.77
プロジェクトを進めていくうちに、
合理化や正当化の理屈を考えすぎて、
理屈が理屈を呼んで、いつの間にか自分がやりたいことや
自分の実感から離れていってしまう
ということがよくあるから、それはぜひ避けてほしい。
学校に入って(入り直して)、表現やデザイン、創造すること
について学んでみたいが、予算も時間的余裕もない方々が大半だろう。
今号は、そんな知的欲求を抱えている表現者にお薦めの一冊だ。
2008年10月29日
コミュニケーションをデザインするための本
振り向いてもらうかまってもらう
コミュニケーションを
正しく設計しないと商品は売れない。
キーワードは、"関係性の構築"
著者、岸勇希さんが携わった事例を解剖する。
仕組みに囚われない、気持ちのデザイン。
- 話題を広げる
- 徹底的に尖る
- ニュースをつくる
- 売れる空気をつくる
- 気持ちをデザインする
- メディアを見つける
- メディアをつくる
広告について著者が抱く、
「生活者にとっては、鬱陶しいもの」
というイメージを払拭し、広告を見た人が、Happyに前向きに
何かを掴みとれるよう、マメに積み重ねたアイデアの解説は、
是非目を通しておきたいもの。
P.150
新聞とブログを組み合わせた実験的なメディアを通して、
情報の重み付けがレイアウトに反映される新聞という
媒体から改めて発見したコト。
ブログだと時系列で並ぶのが基本なので、
自分が一番伝えたい記事に優先順位を付ける重要性を再確認する。
(当ブログでいうと、「特におすすめ本」のページにあたる)
いったん、思い込みを捨て、
結果的に誰を、どうしたいのか?
自分に問い掛けてみる。
と、同時に自分自身の肩書き、役職、専門領域も
脇に置いて発想する。
P.170
誰を、どうしたくて、
そのために何をすべきかを考える誰が、どのような状態になっていることで
課題が解決されるのか
ここでいう自分が動かないとは、
自分に刺さらない、自分が盛り上がらないアイデアである。
そして、自らアクションを起こし動き回ることができないと、
その熱意が伝わらないことも示唆している。
P.181
自分が動かないキャンペーンで、
人は動かない
5つの原則。メディアありき、新技術ありき、
メッセージありき、という場所から思考を始めない。
P.183
- 思い込まずにインサイト
・・・肌感覚に頼り過ぎない- 課題解決のためにありとあらゆる手法、選択肢を考える
・・・メディアから考えない、メッセージから考えない- メディアと表現を分離しない
・・・生活者が広告に接触する瞬間を大切にする- 仕組みではなく、気持ちをデザインする
・・・技術や仕組みは目的ではなく手段- 結果に固執する
・・・広告の本質を忘れない
客先の売上げを上げる。
という一点に集約。
P.183
広告は、そこになにかしらの期待があって
クライアントがお金を払って
打つものです。私たちはその期待に応える必要があり、
いかなる条件であっても引き受けた以上、
その条件内ででき得る最大の成果を目指さなければなりません。当たり前のことですが、この当たり前のことができていない
キャンペーンが数多く存在することも事実です。
話題になるだけ、創る側の自己顕示欲をアピールするために、
大切なのお金を浪費してはいけない。
2008年4月28日
魂を失わずにグラフィックデザイナーになる本
「GWは飛び石だし。(ホントは休みなんてないケド)
たまには読書でもしてやろうか!この野郎!
でも何から読んでイイのか、わからねーよ・・・」
と、お嘆きのグラフィックデザイナーの皆様
ジャケットも可愛いし、ジョークもふんだんに
散りばめられている本書はいかかでしょうか。
わかりやすいデザインの定義、会社勤めがイイのか、
独立してフリーになった方が良い結果を招くのか。
デザイナーは、あるあるっ!と頷き。
クライアントは、ないないっ!と首を横に振る
(しかし内心は、あるある・・・と思ってもいる)内容
デザイナーが直面する恐怖に打ち勝つ方法、
好ましいクライアントとの関係構築や、
バッドクライアントの見分け方と、切り方の手法が体験談とともに書かれている
「グラフィックデザイナーたちは、『デザイン年鑑』を
『スタイル・ガイド』と勘違いしていると思う」
とは、アンディ・クルスの言葉
有名な広告代理店のクリエイティブディレクターに
生きたイナゴ入りの箱を作品として
送り付けたデザイナーの結末とは?
2008年4月22日
僕はこうしてデザイナーになった
2年前に、大さん橋国際客船ターミナルの
芝生に寝っ転がって途中まで読んでいた本
子供の頃にやっていたことを
今でも続けているような方々が登場
小さい時にやっていたことを、
現在の仕事に活かしていないとすると。
何処かで流されたか、道を間違った可能性があるかもしれない
北川一成さんは、小学校に入る前から
パースを効かせてサンダーバードを描いたり
岡本太郎に影響を受けて抽象画に走ったり
家業の印刷屋を継ぐまでの課程を
兵庫人の口調でテンポ良く語ってくれます。
「美大を出て電通、博報堂みたいな大手に行かないと
デザイナーとして成功しないと思っている人は、
どの道その程度のデザイナー
にしかなれないですよ」
と、歯に衣着せぬ物言いは佐藤直樹さん
遅咲きの信藤三雄さんは、
こどもとして「素直に表現する」ってことの重要性を説く
会いたい人には、すぐにでも会いにゆく、
その行動力が、後の活躍に繋がる・・・
「かっこいいこと」や「モチベーションの維持」についての話、
会社勤めにはまるで向いていないエピソードなど。
お小遣い、一日十円時代から創作活動をしていた祖父江慎さん
幼い頃から、目を回すことが好きだった少年が
大学時代の「迷子ごっこ」を通して、
大人になってから、目が回るような生活に飛び込むハメに。
読書カードを媒体にして、出版社で働くことになるくだりは、
昔の時代ならでは。
印刷所への緻密な指定が最高に面白い
「スクリーン線数20線の網点を45度の角度で正円で入れて、
その網点の色はシアン何%+マゼンタ何%+イエロー何%、
それに対して抜き合わせで全面に色ベタ
インキ配合率はFグロスメデューム94%+28金赤1.5%+・・・」
「こんなの提出したら嫌がられるかな?」
と思った案が通っちゃうのもデザイナーの醍醐味であると。
























